広場
ひ作者は韓国、北朝鮮の両方の体制を経験した。
主人公も同様に両国の体制の中で生き、そして北朝鮮から第三国へ行くことを希望する。主人公は、船の中でその来た道を振り返る。徐々に彼の過去が明かされていき、何故、彼が今こうして船の中にいるのかが見えてくる。
人にとって大切なことは、生きること。
人を生かさないイデオロギーや制度は意味ががない。人がイデオロギーを生かすべきであり、その逆ではない。
しかし、しばしば多くの国で、人がイデオロギーによって生かされたり殺されたりする羽目に陥っている。
それは、私たちが属しているより小さな集団においても同様だ。
人をまとめるためにルールやイデオロギーや何かを利用する。それが多くの人をまとめるのに手っ取り早く、有益な方法だからだ。
いつのまにか、主権はイデオロギーやルールに奪われ、人は人が作ったものに振り回される。
より良く生きるために考え出され、持ち込まれたものが、人々を縛り人々を支配するようになる。人は忘れがちだ。人間は愚かなのだということを。たとえどんなに完璧なシステムであっても、正しく理想通りに生かしていくことは出来ないだろうと思う。
そして、どんなに完璧なイデオロギーがあって、理想的な国を作り上げたとしても、そこに愛する者がいて共に生きるのでなければ意味がない。