読書日記と日々のあれこれ

読んだ本の記録と紹介です。たまに映画も。

2019-01-01から1年間の記事一覧

広場

広場 (CUON韓国文学の名作) 作者:仁勲, 崔 発売日: 2019/09/30 メディア: 単行本 ひ作者は韓国、北朝鮮の両方の体制を経験した。 主人公も同様に両国の体制の中で生き、そして北朝鮮から第三国へ行くことを希望する。主人公は、船の中でその来た道を振り返る…

バレリーナ 躍り続ける理由

バレリーナの吉田都さんのエッセイを読んだ。 実はバレエを見たことがない。 以前の同僚が長年バレエをしていた人で、吉田都さんの名前も彼女から聞いたのだったと思う。書店でこの本を見たとき、聞いたことあったな、と手に取った。 幼い頃から躍り続けてい…

『惨憺たる光』

惨憺たる光 (韓国女性文学シリーズ6) 作者: ペク・スリン,カン・バンファ 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2019/06/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 人が抱える苦しみや悲しみ、光と闇、生と死、さまざまな面から人を…

まなちゃん

まなの本棚 作者: 芦田愛菜 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2019/07/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 小動物のように愛らしかった子役の芦田愛菜ちゃんが、もう15歳になったとは。 本を読むのがとても好きだとのことで、彼女どんなものを…

『あの夏のソウル』

あの夏のソウル (YA! STAND UP) 作者: イヒョン,徐台教,下橋美和 出版社/メーカー: 影書房 発売日: 2019/03/08 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 『鉄原、1945』の続編となる『あの夏のソウル』は、日本の植民地支配から解放さ…

2019年1-6月 読書 ベスト5

今年の1月から6月の半年間で読んだ本は72冊 その中から5冊選ぶとしたら下記のとおり。 順不同。 『平場の月』 朝倉かすみ 『三つ編み』 レティシア・コロンバニ/齋藤可津子 『外は夏』 キム・エラン/古川綾子 『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』 オリヴィエ・ゲ…

書店が好き

書店で本を眺めながらぶらぶらと棚を見て回ると、まず精神的に落ち着く。仕事帰りは一杯やるより本の背表紙を見たい。 本を選んでいると、自分が今何を考えているか、どんなことを気にしているのかよくわかる。 選ぶ本にはっきり出るから。 見ても見ても選べ…

『結婚』

原題は『立っている女』という。 韓国の作家パク・ワンソの小説だ。 旧来の結婚観、女性観と、新しい時代の新しい結婚観、女性観の間で戦う若い女性が主人公である。 女性とは社会において家庭においてどのような存在なのか。 この小説が書かれた時期は韓国…

あのころはフリードリヒがいた 

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520)) 作者:ハンス・ペーター・リヒター 発売日: 2000/06/16 メディア: 単行本 約30年ぶりに再読したハンス・ペーター・リヒターの『あのころはフリードリヒがいた』。 1925年にドイツの同じアパートに生まれた…

女たちの物語 『三つ編み』

三つ編み 作者: レティシアコロンバニ,?崎順子,齋藤可津子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/04/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る レティシア・コロンバニの『三つ編み』を手に取ったのは、表紙がとても美しかったからだ。インド人女…

センセイの鞄 

川上弘美の『センセイの鞄』は、静かな静かな恋愛小説だった。ゆっくりゆっくり育っていく気持ちがゆっくり描かれている。読んでいる方も、ツキコさんとセンセイのペースに合わせて気持ちを育てていくことになる。 読んでいるうちに、ツキコさんと同じペース…

保育園問題は日本だけじゃないらしい

子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から 作者: ブレイディみかこ 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2017/04/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (19件) を見る 私は、子どもがいないので経験がないが、妹や友人、元同僚たち…

たまにはライトノベルも

おいしいベランダ。 午前1時のお隣ごはん (富士見L文庫) 作者: 竹岡葉月 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房 発売日: 2016/05/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 契約結婚はじめました。 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫) 作者:…

洋書の多読

100万語多読入門【CD付き】 作者: 古川昭夫,伊藤晶子,酒井邦秀 出版社/メーカー: コスモピア 発売日: 2005/03/26 メディア: 単行本 クリック: 35回 この商品を含むブログ (30件) を見る もうずいぶん長いこと、洋書の多読をしている。 英語の本を読みたいと…

腸を整える 

腸に悪い14の習慣 (PHP新書) 作者: 松生恒夫 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2015/09/16 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 私は胃が弱いが、腸は全く弱くない。胃痛は多いし、食べられない食べ物がいくつかある。 しかし、夫は逆で胃は強いの…

エッセイが好きなわけ 『悲しくてかっこいい人】

『悲しくてかっこいい人』 イ・ラン 悲しくてかっこいい人 作者: イ・ラン,呉永雅 出版社/メーカー: リトル・モア 発売日: 2018/11/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 韓国のアーティストであるイ・ランのエッセイを読…

テルマエ・ロマエの作者の母

『ヴィオラ母さん 私を育てた破天荒な母・リョウコ』 ヤマザキマリ(文藝春秋) ヴィオラ母さん 私を育てた破天荒な母・リョウコ 作者: ヤマザキマリ 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/01/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る マンガの『…

The artist wayを読む

The artist way はジュリア・キャメロンの著作。ずいぶん前にKindle版を購入していたものの、英語版なので挫折していた。 今、時間があるので、改めて読み始めることにする。(あとから日本語版も読もう) まだ読み始めたばかりで、具体的な話になっていない…

何ということのない普通のことと幸せ 『平場の月』

『平場の月』朝倉かすみ (光文社) 地元の友人同士のやり取りや、偶然の再会、そこから始まる関係など、とてもリアルな「地元」の空気が物語全体に漂っている。50代になって再会した中学の同級生との恋愛を描いた小説だった。 どうということのない、いかに…

1、2月 読書のメモ

今年に入って1、2月に読んだ本のうち、おもしろかったもの、印象的だったもの、ベスト5を。順不同。 1 すべての、白いものたちの 韓国の詩人、小説家のハン・ガンによるエッセイ。白、をテーマに書かれた命にまつわるさまざまなエッセイ。 しん、とした静け…

森村誠一のエッセイ 『遠い昨日、近い昔』

『遠い昨日、近い昔』 森村誠一(角川文庫) 久しぶりに森村誠一さんの本を買った。 中学生から大学生くらいにかけて、よく読んでいた。その後、ミステリー以外のものを読むことが増え、手に取ることが減っていた。 森村誠一作品で、印象に残っているのは、…

エッセイが好き イ・ラン『悲しくてかっこいい人』

小説、ノンフィクション、実用書、エッセイ……活字を読むこと自体が好きなので、ジャンルは問わずに色々読む方だが、実は雑誌が苦手だ。一冊にテーマの異なる様々な情報が詰め込まれていることが、何となく苦手なのだと思う。それでも、時々は買って読むけれ…

ていねいに暮らしたい 『丁寧に暮らしている暇はないけれど』

『丁寧に暮らしている暇はないけれど』 一田憲子 結婚して10年以上経つけれど、家事はあまり得意でないまま。得意でないままというより、苦手なままだ。 手先が不器用で、物を作ること全般が苦手だし、色彩感覚が悪いので家具やカーテン、絨毯を選ぶのも苦手…

ひたすら続けること継続すること 『武器としての書く技術』

『武器としての書く技術』 著者 イケダハヤト (中経出版) イケダハヤトさんの本は2冊目だったと思う。 ツイッターでちらほら見かける(フォローしてないので、たまにリツイートで流れてくる)ので、久々に読んでみようと思ってKindleにダウンロード。 正…

『宝島』を読んで知った占領時代の沖縄

直木賞受賞作の『宝島』(真藤順丈)は、聞いていたとおりのおもしろさだった。 1952年~1972年までのアメリカ占領期のただ中にあった沖縄のコザを舞台にしながら、暗くならない語り口が見事。 しかしながら、出てくるエピソードも登場人物たちも、沖縄の基地…